訪問介護(ホームヘルプ)とは?サービス内容・料金・申し込みの流れをやさしく解説

介護

「親の介護、そろそろ考えないといけないかも…」
「介護はしているけれど、介護サービスはまだ使ったことがない…」

そんなふうに感じている方はいませんか?

私は訪問看護師として、日々ご高齢の方のお宅に伺っています。その中で、介護サービスを使っていないご家族に「ヘルパーさんに来てもらう方法もありますよ」とお伝えすると、「そんなこと、知りませんでした」と言われることが少なくありません。

介護保険のサービスは、知らないままだと使えません。でも、知ってさえいれば、介護する人・される人の両方をぐっとラクにしてくれます。

今回は、介護保険で使える「訪問介護(ホームヘルプサービス)」について、サービスの内容から申し込みの流れまで、できるだけわかりやすくまとめました。

この記事でわかること

  • 訪問介護(ホームヘルプサービス)でヘルパーさんに頼めること
  • 意外と知られていない「頼めないこと」
  • 気になる料金の目安
  • 申し込みの流れ(何から始めればいいか)

訪問介護(ホームヘルプサービス)ってどんなサービス?

訪問介護は、ヘルパーさん(訪問介護員)が自宅に来て、日常生活を手助けしてくれる介護保険のサービスです。内容は大きく2つに分かれます。

1. 身体介護(体に直接ふれるお手伝い)

  • 食事の介助
  • 入浴やシャワーの介助、体拭き、洗髪
  • トイレの介助、おむつ交換
  • 着替えの介助 など

2. 生活援助(暮らしのお手伝い)

  • 掃除、洗濯
  • 食事の準備や調理
  • 日用品や食材の買い物 など

このほか、通院の付き添いも身体介護としてお願いできます(家を出る準備から、道中の移動、病院の受付までが対象です)。事業所によっては、通院のときの車の乗り降りを手伝ってくれるサービスもあります。

ひとつ知っておきたいのは、病院の中での付き添い(診察の待ち時間など)は、原則として病院のスタッフさんが対応する決まりになっていることです。どこまでお願いできるかは、ケアマネジャーさん(介護の計画を立ててくれる専門家)に相談すると教えてもらえますよ。

実家の母もヘルパーさんにお世話になっています

実は、私の実家の母も訪問介護を利用しています。今は週に2回、体拭きとドライシャンプーをお願いしていて、以前はシャワーの介助や、買い物・家事のお手伝いもお願いしていました。

ヘルパーさんは、私と同世代くらいの方から母と同世代の方までいろいろ。手際のいい方もいれば、母いわく「同世代の方はゆっくりだから、あまりたくさんは頼めないの。でもお話が合うのよね」だそうで(笑)。ヘルパーさんとの何気ない会話が、母の楽しみのひとつになっています。

家事代行と迷う方もいるかもしれませんが、訪問介護はケアマネジャーさんを通じて来てもらうサービスなので、安心感があるのも良いところだと感じています。

意外と知られていない「頼めないこと」

ここは大事なポイントです。訪問介護は「介護される本人の日常生活に必要なこと」を支えるサービスなので、頼めないことがあります。

  • 家族の分の家事(家族の食事づくり、家族の部屋の掃除、家族の洗濯など)
  • 庭の草むしりや庭掃除、ペットの世話
  • 大掃除や窓拭きなど、日常の範囲を超える家事
  • お客さま用の特別な料理 など

また、同居しているご家族がいる場合、掃除や調理などの生活援助は原則として利用できないことがあります(ご家族に病気や障害などの事情があれば認められる場合もあります)。

「じゃあ、そういう部分は誰に頼めばいいの?」というときに選択肢になるのが、保険外の家事代行サービスです。費用は介護保険より高くなりますが、頼める内容の自由度は高いです。詳しくはこちらの記事にまとめています。

家事代行サービス選びで失敗しないために、知っておきたい料金のこと

気になる料金は?

訪問介護は介護保険が使えるので、自己負担は費用の1割(所得によっては2〜3割)です。

1割負担の場合の、1回あたりの目安はこのくらいです。実際によく利用されている「30分」と「1時間」を中心にご紹介しますね。

身体介護

  • 20〜30分:約244円
  • 30分〜1時間:約387円

生活援助

  • 20〜45分:約179円
  • 45分以上:約220円(生活援助は45分以上ひとくくりの料金です)

※地域やサービス事業所によって多少変わります。

要介護度ごとに「毎月このくらいまで介護保険が使えますよ」という上限(限度額)が決まっていて、その範囲内で利用すれば経済的な負担は少なくすみます。どのくらい使えるかは、ケアマネジャーさんが一緒に考えてくれるので大丈夫ですよ。

申し込みの流れ|まずは「要介護認定」の申請から

「使ってみたいけど、何から始めればいいの?」という方のために、最初の一歩から順番に説明しますね。

ステップ1:お住まいの市区町村の窓口か「地域包括支援センター」に相談する

介護保険のサービスを使うには、まず「要介護認定」という手続きが必要です。申請の窓口は、市区町村の介護保険の窓口か、地域包括支援センターです。

地域包括支援センターは、介護の相談に無料で乗ってくれる身近な相談窓口で、中学校区にひとつくらいの割合で設置されています。「何もわからない」という段階でも大丈夫。申請の代行もしてくれます。

ステップ2:認定調査と主治医の意見書

申請すると、調査員さんが自宅(入院中なら病院)に来て、本人の心身の状態や生活の様子を聞き取ってくれます。あわせて、かかりつけのお医者さんが意見書を書いてくれます(意見書は市区町村がお医者さんに直接依頼するので、こちらで用意する必要はありません)。

ステップ3:結果の通知(申請から約1か月)

「要支援1・2」「要介護1〜5」のどれにあたるか、結果が郵送で届きます。

ステップ4:ケアマネジャーさんを決めて、ケアプランを作る

  • 要介護1〜5の方:ケアマネジャーさんのいる事業所(居宅介護支援事業所)に依頼して、どんなサービスをどのくらい使うかの計画(ケアプラン)を作ってもらいます
  • 要支援1・2の方:地域包括支援センターが相談先になります。訪問介護と同じような訪問型のサービスを、市区町村の事業として利用できます

どこに頼めばいいか迷ったら、ここでも地域包括支援センターに相談すればOKです。

ステップ5:サービス事業所と契約して、利用スタート

ケアプランができたら、訪問介護の事業所と契約して、いよいよヘルパーさんに来てもらえます。申請からここまで、おおよそ1〜2か月が目安です。

時間がかかるように感じるかもしれませんが、だからこそ「必要になってから」ではなく「気になり始めたら」相談を始めるのがおすすめです。

まとめ

  • 訪問介護(ホームヘルプサービス)は、ヘルパーさんが自宅に来て、入浴・食事などの介助や、掃除・調理・買い物などを手伝ってくれる介護保険のサービス
  • ケアマネジャーさんを通じて利用するので安心感があり、限度額の範囲内なら自己負担は1〜3割ですむ
  • 家族の分の家事や庭の手入れなど「頼めないこと」もある。そこは保険外の家事代行という選択肢も
  • 申し込みは、市区町村の窓口か地域包括支援センターで「要介護認定」の申請から。迷ったら地域包括支援センターへ

介護疲れで心も体もくたびれてしまい、自分の体調にまで気を配れなくなっている方を、私は現場でたくさん見てきました。

頼っていいサービスは、ちゃんとあります。どうか一人で抱え込まず、まずは近くの相談窓口に「ちょっと聞きたいんですけど」と声をかけることから始めてみてくださいね。

→ あわせて読みたい:頑張りすぎていませんか?介護中こそ「頼る」という選択肢を

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