「家事を人に頼みたいけれど、家事代行のほかにも選択肢があるみたい…」
「シルバー人材センターは安いって聞くけど、家政婦さんとは何が違うの?」
そんなふうに迷っている方はいませんか?
私は訪問看護師として、家政婦さんやヘルパーさんなど、外部の手を借りて暮らすお宅をたくさん見てきました。
この記事では、家事を頼める3つのサービスの違いと、選ぶときの考え方をご紹介しますね。
この記事でわかること
- 家事代行・シルバー人材センター・家政婦さん、それぞれの仕組み
- 気になる料金の目安
- 頼める内容と「来てくれる人」の違い
- 「うちの場合はどれ?」を考えるヒント
まずはざっくり。3つのサービスはこう違います
同じ「家事を頼む」でも、この3つは仕組みが違います。
- 家事代行サービス:会社と契約して、研修を受けたスタッフさんに来てもらう
- シルバー人材センター:地域の公的な団体に依頼して、登録しているシニアの会員さんに来てもらう
- 家政婦さん(家政婦紹介所):紹介所に紹介してもらい、家政婦さん個人と直接契約する
「契約の相手が違うだけでしょう?」と思うかもしれません。
でも実はこの違いが、料金にも、頼める内容にも、そのまま表れてくるんです。
料金の目安をくらべてみました
まずは気になる料金から。1時間あたりの目安はこのくらいです。
| サービス | 1時間あたりの目安 | 備考 |
|---|---|---|
| シルバー人材センター | 約1,000円〜1,400円 | 地域によって異なる。別途事務費・交通費 |
| 家政婦さん | 約1,500円〜3,000円 | 別途交通費・紹介所への手数料 |
| 家事代行サービス | 約2,000円〜4,000円 | 会社やプランによって幅がある |
シルバー人材センターの安さが目を引きますよね。
市区町村ごとに運営されている公的な団体で、営利目的ではありません。家事代行にくらべると、半分ほどの料金で頼める地域も多くあります。
家事代行の料金は、こちらの記事に詳しくまとめています。
→ 家事代行サービス選びで失敗しないために、知っておきたい料金のこと
頼める内容と「来てくれる人」の違い
私がいちばんお伝えしたいのは、実は料金よりも「頼める内容と、来てくれる人の違い」です。
シルバー人材センター|日常の軽い家事を、経済的に
掃除や洗濯、買い物、庭の草むしりなど、日常の軽いお手伝いが中心です。
来てくれるのは、地域にお住まいの60歳以上の会員さん。仕上がりはその方の家事経験によるところがあります。
また、ご高齢の方なので、作業にゆっくり時間がかかることもあると聞きます。
「完璧な仕上がりよりも、日々の家事を経済的に手伝ってほしい」という方に合っているサービスです。
家事代行サービス|「家事そのもの」の専門家
3つの中で、掃除や料理といった家事そのものをいちばん専門にしているのが家事代行です。
会社の研修を受けたスタッフさんが来てくれて、多くの会社が損害保険に入っています。
万が一物を壊してしまった、といったときに会社として対応してもらえるのは心強いですね。
相性が合わなければスタッフさんの交代をお願いできるのも、会社と契約するからこそのメリットです。
家政婦さん|長時間、家事も見守りも幅広く
長時間の依頼や、住み込み・泊まりがけといった依頼まで相談できるのが家政婦さんです。
訪問看護の現場でも、家政婦さんにお願いしているご家庭が何件かありました。
ご家族が男性おひとりだったり、遠方にお住まいでなかなか来られなかったり、家族だけでは手が回らないご家庭が多かった印象です。
中には、残された時間をご自宅で過ごすと決めた方を支えるために、家政婦さんが24時間体制で入っているご家庭もありました。
私が見てきた家政婦さんは、ご家族の希望に沿って料理や掃除をしつつ、ご本人の様子にも気を配ってくださる方が多かったです。
家事の専門家というより、「家事も見守りも含めて、長い時間そばで支えてくれる存在」に近いかもしれません。
掃除や料理そのものの質を求めるなら、家事代行のほうが専門といえそうです。
なお、家政婦さんは研修や資格が必須のお仕事ではないので、得意なことは人によって差があります。
紹介所によっては研修があったり、「家政士」という家事の資格を持つ方もいますよ。
その分、料金は3つの中でも高くなりやすく、経済的に余裕のあるご家庭での利用が多いのも正直なところです。
また、契約は家政婦さん個人と直接結ぶ形が基本なので、何かあったときの話し合いも当事者同士になる、という点は知っておきたいですね。
「家族以外の人」だから頼みやすいこともあります
「他人を家に入れるなんて、家族に悪い気がして…」とためらう方も多いと思います。
でも現場で見ていると、むしろ逆のことも多いんです。
ご本人にとっては、家族に必要以上に気をつかわなくてよくなります。
トイレのお世話のような頼みごとは、「家族にはかえって頼みづらい」とおっしゃる方が少なくありません。
そしてご家族も、自分の仕事や家庭を大切にしながら関われるので、気持ちに余裕が生まれているように感じました。
じつはわが家も、実家の両親に家事代行の話を一度してみたことがあります。
ただ、両親は料金が気になるようで、「まずは介護保険サービスでできる範囲でお願いしたい」とのことでした。
無理にすすめるつもりはありません。それでも、選択肢を知っておくだけで「困ったときはここに頼れる」という安心につながると感じています。
「介護保険があるから大丈夫」と思っている方へ
ひとつ知っておきたいのは、介護保険にも限りがあることです。
自己負担は原則1割ですが、所得によっては2割・3割になり、思っていたより料金がかかる場合があります。
また、1か月に保険で使える量には上限があり、超えた分は全額自己負担になります。
要支援の方は、ヘルパーさんの利用が市区町村の事業(総合事業)に変わり、頼める内容や回数に限りがあります。
「介護保険では足りない部分をどう補うか」を考えるときにも、今回の3つのサービスが選択肢になりますよ。
介護保険で頼めるヘルパーさんについては、こちらの記事をどうぞ。
→ 訪問介護(ホームヘルプ)とは?サービス内容・料金・申し込みの流れをやさしく解説
「どこに重きを置くか」で選びましょう
3つのサービスに、はっきりした優劣はありません。ご自身が何を大事にしたいかで選ぶのがおすすめです。
- とにかく経済的に、日常の軽い家事を頼みたい → シルバー人材センター
- 掃除や料理の質と、保険などの安心を求めたい → 家事代行サービス
- 長時間、家事も見守りも幅広くお願いしたい → 家政婦さん
たとえば庭の草むしりはシルバー人材センター、水回りの掃除は家事代行、と内容で頼み先を分ける使い方もできますよ。
まとめ
- 家事を頼める先は、家事代行・シルバー人材センター・家政婦さんの3つがある
- 1時間あたりの目安は、シルバー人材センター約1,000円〜、家政婦さん約1,500円〜、家事代行約2,000円〜
- シルバー人材センターは経済的、家事代行は家事の専門性と安心、家政婦さんは長時間・幅広さ
- 家族以外の人だからこそ、頼みやすいこともある
- 優劣ではなく「どこに重きを置くか」で、自分に合う頼み先を選ぶ
どのサービスにも、それぞれの良さがあります。
「うちの場合はどれだろう?」と考えてみることが、暮らしをラクにする最初の一歩です。
あなたとご家族に合った頼り先が見つかりますように。
→ あわせて読みたい:頑張りすぎていませんか?介護中こそ「頼る」という選択肢を

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