デイサービスとは?「行きたくない」から始まっても大丈夫

デイサービスの送迎車から降りる高齢の女性と、笑顔で迎える職員 介護

「デイサービスを勧められたけど、うちの親は絶対に嫌がると思う」
「そもそも、あそこで何をしているのかよくわからない」

そんなふうに感じている方はいませんか?

私は訪問看護師として、デイサービスに通っている方のお宅にも伺っています。そこで感じるのは、最初は嫌がっていた方ほど、通い始めてから「楽しかった」とおっしゃることが多いということです。

この記事では、デイサービスがどんな場所で、費用はどのくらいかかるのかをお話しします。「行きたくない」と言われたときの声のかけ方も、現場で見てきたことをもとにお伝えしますね。

この記事でわかること

  • デイサービスでは1日どんなふうに過ごすのか
  • 気になる費用の目安(1割負担の場合)
  • デイサービス・デイケア・認知症対応型デイのちがい
  • 「行きたくない」と言われたときの声のかけ方

デイサービスとは?|日帰りで通って過ごす場所

デイサービス(通所介護)は、朝に送迎の車でお迎えに来てもらい、日中を施設で過ごして、夕方に送ってもらうサービスです。泊まりはありません。

1日型の場合、こんなふうに過ごします。

デイサービスの1日の流れ。9時お迎え、9時半健康チェック、10時入浴、11時半体操、12時昼食、13時レクリエーション、15時おやつ、16時帰宅

時間の区切りは施設によって少しずつ違いますが、「お風呂・食事・体を動かす・人と過ごす」がひとまとまりになった1日、とイメージしてもらえたらと思います。

最近は「過ごし方を選べる」ところも増えました

デイサービスというと、みんなで同じ体操をする風景を思い浮かべる方が多いかもしれません。でも、最近はいろいろな工夫をしているところが増えています。

車でドライブに出かけたり、カラオケをしたり、囲碁を楽しんだり。何をするかを自由に選べる施設もあります。カレンダーや季節の行事に合わせて、手作りの置物などを作るところもありますよ。

同じ「デイサービス」でも、中身は施設ごとにかなり違います。ここは見学のときにぜひ見てほしいところです。

「お風呂だけ」でも、立派な理由になります

意外に知られていないのですが、自宅でひとりでお風呂に入れなくなったことをきっかけに、入浴を目的に通われる方はとても多いです。

家のお風呂は、またぎの高さがあったり、床がすべりやすかったり。ひとりで入るのが心配になってくる場所です。その点デイサービスのお風呂は、手すりや機械浴の設備が整っていて、職員さんが見守ってくれます。

「レクリエーションには興味がないけれど、お風呂には入りたい」。それで十分な利用理由になります。

なお、通うこと自体が難しい方には、自宅の部屋で湯船に入れる訪問入浴という方法もあります。詳しくはこちらの記事にまとめています。

1日は長いと感じる方へ|半日デイという選び方

「朝から夕方までは疲れてしまう」という方も少なくありません。そんなときは、**3〜4時間ほどで帰ってくる「半日デイ」**を選ぶ方も多いです。

入浴やリハビリを中心にした短時間の利用で、お昼をはさまずに帰ってくることもできます。まずは半日から始めて、慣れてきたら1日型に変える、という進め方もできますよ。

デイサービス・デイケア・認知症対応型デイのちがい

「通う」サービスには、実はいくつか種類があります。名前が似ているので、ここで整理しておきますね。

デイサービスデイケア認知症対応型
目的入浴・食事・レクリハビリ少人数でのケア
場所通所介護の事業所病院・診療所・老健定員12人以下
医師の指示いらない必要いらない
要支援市町村のサービスへ使える使える

デイケア(通所リハビリテーション)は、お医者さんの指示のもとで、理学療法士さんなどの専門職からリハビリを受けられるのが特徴です。「退院後にもう少し歩けるようになりたい」という方に向いています。行える場所は、病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院に限られています。

ここでひとつ、ややこしいものがあります。「リハビリ特化型デイサービス」と呼ばれる施設です。半日で運動や機能訓練を中心におこなうところで、名前にリハビリとついていますが、制度のうえではデイケアではなくデイサービスにあたります。名前だけでは見分けがつきにくいところです。気になったら、ケアマネジャーさんにどちらの区分か確認してもらうと確実ですよ。

認知症対応型デイは、認知症のある方を対象にした少人数のデイサービスです。人数が少ないぶん、ひとりひとりに合わせた関わりがしやすいという良さがあります。

どれが合うかは、ケアマネジャーさん(介護の計画を立ててくれる専門家)が一緒に考えてくれます。「こういう種類があるらしい」と知っておくだけで十分です。

気になる費用|1日いくらかかるの?

介護保険を使うので、自己負担は原則1割(所得によっては2割・3割)です。通常の規模の事業所を使った場合の、1割負担の方の目安がこちらです。

サービス提供時間要介護1要介護3要介護5
1日型(7〜8時間)約660円約900円約1,150円
半日型(3〜4時間)約370円約480円約590円

これに、お風呂に入ると入浴介助の費用が40円ほど加わります。さらに、食費とおやつ代は介護保険の対象外で全額自己負担です。金額は施設によって違いますが、1日500〜1,000円ほどのところが多いようです。

つまり1日型で要介護1の方なら、利用料と食費を合わせて1日1,200〜1,700円くらい、というイメージになります。地域や施設の体制によって多少前後するので、正確な金額は見学のときに聞いてみてくださいね。

「行きたくない」と言われたときに、私が伝えていること

ここがいちばん多い悩みかもしれません。私も現場でよく相談を受けます。お伝えしているのは、次のような言葉です。

  • 「ご家族が休んだり、用事で出かける時間を持ってもらうためにも、利用してみませんか?」
  • 「まずはお試しで行ってみませんか。嫌だったらやめてもいいんですよ」

あまり乗り気でない方でも、ご家族のためにと思って「じゃあ行ってみようかな」と言ってくださる方はいらっしゃいます

もうひとつ効くのが「お試しで」という言葉です。行きたくない気持ちの多くは、行ったことがないからこそのイメージが先に立っているもの。「お試しなら」と思えると、最初の一歩がぐっと越えやすくなります。

しかも、体験利用の料金がかからないデイサービスもあります。送迎や昼食まで無料で1日体験できるところもあるので、見学のときに「お試しはできますか」と聞いてみてくださいね。

そして、本当に嫌ならデイサービスはいったん見合わせることもできます。やめられないサービスではありません。そこは安心して勧めていただけたらと思います。

実はわが家でも、母に何度も勧めたのですが、嫌がって利用しませんでした。母は70代で、デイサービスに通っている方の中では少し若かったこともあり、気持ちが向かなかったようです。勧めても行かない、ということはあります。それはご家族の伝え方が悪いからではありませんよ。

知っておきたい、気になる点

良いところばかりではないので、正直にお伝えしておきますね。

ひとつは送迎の順番です。たくさんの方を順番に送り迎えするので、施設によっては自分の家がいちばん最後になることもあります。長く車に乗って待つのがしんどい方や、体調的に負担が大きい方は、契約の前に相談してみてください。事情を伝えれば、調整してもらえることもあります。

もうひとつは相性です。通ってみて「合わないな」と感じることは、実際にあります。最初に2か所くらい見学や体験をされる方が多いのですが、それでも通い始めてから合わないとわかることもあるんです。

そんなときは無理に続けず、別のデイサービスを試してみてください。次の場所がぴったり合った、というケースはよくあります。「デイサービスが合わない」のではなく「その施設が合わなかっただけ」ということも多いのです。

利用したいときの流れ

デイサービスを使うには、介護保険の「要介護認定」を受けている必要があります。要介護1〜5の方が対象です。

  1. ケアマネジャーさんに相談する(お風呂のこと、日中の過ごし方の希望を伝えます)
  2. 候補の施設を見学・体験する(送迎の時間、雰囲気、どんな過ごし方ができるかを見ます)
  3. ケアプランに組み込んで、契約・利用開始

要支援1・2の方は、市区町村がおこなっている「通所型サービス」を使うことになります。回数の目安は要支援1で週1回、要支援2で週2回ほどです。

「まだ要介護認定を受けていない」という方は、申請からのスタートになります。申請の流れはこちらの記事にまとめているので、あわせて読んでみてくださいね。

まとめ

  • デイサービスは、日中を施設で過ごして夕方に帰ってくる日帰りのサービス。お風呂・食事・体を動かす時間・人と過ごす時間がセットになっている
  • 過ごし方を選べる施設や、季節の工作をする施設など、中身は施設ごとにかなり違う。見学で確かめるのがおすすめ
  • 費用は1割負担なら1日型で700円前後から。これに食費が別途かかる
  • 「行きたくない」と言われたら、ご家族のための時間であること、お試しで行って嫌ならやめられることを伝えてみる
  • 送迎の順番や施設との相性は、遠慮せず相談していい部分

デイサービスは、通う本人にとっての楽しみになると同時に、介護するご家族が安心して自分の時間を持てる機会にもなります。介護は長期戦になることが多いですから、支える側が休むひとときも、介護をしていくうえで必要な時間だと私は感じています。

もし気になっているなら、まずはケアマネジャーさんに「見学だけしてみたいんですけど」と伝えてみてください。見るだけなら、何も決まりません。そこから始めて大丈夫ですよ。

→ あわせて読みたい:訪問介護(ホームヘルプサービス)の内容と申し込みの流れ

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