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「重い買い物袋を持って帰るのが、だんだんしんどくなってきた」「仕事帰りにスーパーへ寄る時間がない」
そんなふうに感じている方はいませんか?
私は訪問看護師として、日々ご高齢の方のお宅に伺っています。玄関先に生協の保冷箱が置かれているお宅は、めずらしくありません。実家の買い物を手伝いながら、私自身も同じことを考えてきました。
今回は、買い物の負担を減らす「食材宅配」について、実際に使ってみてわかったことも交えてお伝えします。
この記事でわかること
- 「食材宅配」と「宅食」は何が違うのか
- 食材宅配で頼めるものの幅
- 商品代のほかにかかる「手数料」の目安
- 高齢の親に使うときに、先に確かめておきたいこと
「食材宅配」と「宅食」は、届くものが違います
まず、ここを整理させてください。似た言葉が多くて、いちばん混乱しやすいところです。
- 食材宅配:野菜や肉、魚などの材料が届く。調理は自分でする
- 宅食:できあがったお弁当やおかずが届く。温めるだけで食べられる
つまり、台所に立つ人がいるかどうかで選ぶものが変わります。
訪問先でも、この違いははっきり出ています。冷凍のお弁当をご家族が注文されているお宅を、何軒か訪問しています。ご本人はレンジで温めるだけ。栄養のことや日持ちを考えて、離れて暮らすご家族が選んでいるのだと感じます。
料理をする人がいるなら食材宅配、料理そのものが難しいなら宅食。そんなふうに考えると選びやすくなりますよ。宅食については、宅食とは?種類・料金・見守り機能まで、5つのポイントの記事にまとめています。
食材宅配で頼めるもの|生鮮食品だけではありません
「食材宅配」と聞くと、野菜が段ボールで届く光景を思い浮かべる方が多いかもしれません。でも、実際に頼めるものはもっと幅があります。
実家が生協を始めたきっかけは、父のひとことでした。買い物は父が行ってくれていたのですが、あるとき「腕が痛くて、重いものを持って歩くのがしんどい」と言ったのです。それから頼むようになりました。注文しているのは、こんなものです。
- 野菜や肉、魚などの生鮮食品
- 食パンや牛乳などの日配品
- 焼くだけ・煮るだけでできる、下ごしらえ済みのもの
- お惣菜
- 冷凍食品
「全部イチから作る」前提でなくていい、というのが実際に見ていて感じるところです。その日の体調に合わせて、作る日と温めるだけの日を混ぜられます。
重くてかさばるものほど、届けてもらう価値がある——実家を見ていて、私はそう考えるようになりました。買い物がしんどくなるのは、「行けるかどうか」より先に「持って帰れるかどうか」なのですね。
注文はインターネットだけではありません。紙の注文用紙、電話、FAXでも頼めます。ネットが苦手な方でも始められるのは、高齢の親にすすめるときに心強いところですね。
配達は週に1回が基本です。留守にしていても、専用の保冷箱に入れて玄関先に置いていってもらえます。仕事で日中いない方でも受け取れますよ。
いっぽうで「今日ほしい」に応えてくれるのが、ネットスーパーです。両方を使ってみてわかった違いと使い分けは、ネットスーパーと食材宅配、どう使い分ける?の記事にまとめています。
気になる料金|商品代のほかに「手数料」がかかります
食材宅配でつまずきやすいのが、料金の考え方です。商品代のほかに、配達のための手数料が毎回かかります。ここを知らずに始めると「思ったより高い」と感じてしまいます。
生協は地域ごとに運営されているので、手数料も割引の条件も地域で変わります。関西の3つを並べてみますね。
- 京都生協:通常1回248円(税込)。65歳以上だけの世帯は198円(税込)
- おおさかパルコープ(大阪):65歳以上の方がいる世帯は手数料が半額に
- ならコープ(奈良):割引の対象は満75歳以上から。対象なら基本料金の99円(税込)だけ
同じ関西でも、これだけ違います。とくに気をつけたいのが、割引が始まる年齢です。65歳からの生協もあれば、75歳からの生協もあります。
運転免許の自主返納にともなう特典もあります。京都生協では、返納した方がいる世帯の手数料が1年間無料です。買い物のために免許を手放せずにいる方には、後押しになるかもしれません。
「うちの地域はいくらか」を最初に確認しておくと、あとから驚かずにすみますよ。
私がオイシックスを半年でやめた理由
実は私も以前、オイシックスを半年ほど利用していました。
味はとてもおいしかったです。自分では思いつかない献立が届くので、料理そのものが新鮮でした。
ただ、続けるうちに料金が気になるようになりました。使いはじめはキャンペーンで安く、そこがとても魅力的だったのです。でも、その価格がずっと続くわけではありません。結局、我が家では続けられませんでした。
食材宅配には、初回限定の「おためしセット」があります。送料無料で1,000〜2,000円ほどと、内容のわりにかなり安く設定されています(時期によって価格も中身も変わります)。試すきっかけとしてはよいのですが、そこで感じた「安さ」と、続けたときの金額は別物だと考えておくほうが安心です。
おためしを頼んだら、すぐ定期にせず「これを毎週続けたら月いくらか」を一度計算してみてくださいね。
オイシックスのおためしセットは、初めての方限定で送料無料の1,980円です(2026年8月時点)。実際に届く量と味を確かめてから、続けるかどうかを決められます。
高齢の親に頼むなら|「玄関から冷蔵庫まで」を誰がやるか
ここが、訪問看護師として今回いちばんお伝えしたいところです。
食材宅配は「買い物に行かなくていい」サービスですが、届いてからの作業は残ります。玄関に置かれた箱を運び、開けて、冷蔵庫や冷凍庫にしまう。この一連の動きが、意外と負担になります。
実家では、玄関から運ぶのは父の役目です。重いものは父が冷蔵庫まで入れて、母は軽いものだけをしまっていきます。二人だから成り立っている形です。
一人暮らしの高齢の方だと、ここが難しくなります。注文して、届いた箱を運んで、冷蔵庫にしまうまで。どれかひとつでも難しければ、ご家族の手が必要になります。
冷凍のお弁当を頼んでいるお宅でも、ご家族が冷凍庫まで入れておく場合と、ご本人が自分でできる場合がありました。ご本人がどこまでできるかで、必要なサポートは変わります。
親にすすめる前に、この3つを確かめてみてください。
- 注文ができるか(紙・電話でも大丈夫か)
- 玄関の箱を家の中まで運べるか
- 冷蔵庫・冷凍庫にしまえるか
もし難しいところがあれば、介護保険のヘルパーさんに買い物を頼むという方法もあります。実際に、買い物をお願いされている利用者さんもいらっしゃいます。詳しくは訪問介護(ホームヘルプ)とは?の記事をどうぞ。
正直に伝えたい、気になる点
便利なことばかりではありません。実家を見ていて気づいたことを、正直にお伝えします。
頼んだものが、把握できなくなる
母は、届いた日ごとにメモを取っています。使ったら消していく方法です。ところが、そのメモがだんだん増えていきます。増えると、何が残っているのかわからなくなります。
冷凍庫の中で、行方不明になる
頼みすぎて冷凍庫がいっぱいになり、どこに何が入っているかわからなくなったこともありました。買ったのに使えない、はいちばんもったいないところです。
頼みすぎと、頼み忘れが起きる
週に1回の注文なので、多めに頼んでしまう週もあれば、うっかり忘れる週もあります。うちの場合は、その分を私が週に1〜2回、休日に買いに行ってカバーしています。
つまり、食材宅配だけで買い物が全部なくなるわけではありません。スーパーと組み合わせて、足りない分を補う。そのくらいの気持ちでいるほうが、無理なく続けられると感じています。
まとめ
- 食材宅配は材料が届くサービス。できあがったおかずが届く宅食とは別のもの
- 生鮮食品だけでなく、お惣菜や冷凍食品、下ごしらえ済みのものも頼める
- 商品代のほかに毎回の手数料がかかる。高齢世帯向けの割引がある生協も多い
- おためしセットの安さと、続けたときの金額は分けて考える
- 高齢の親には「注文・運ぶ・しまう」の3つができるかを先に確かめる
買い物は毎日のことだからこそ、負担が積み重なります。重い荷物を持たずにすむだけで、体も気持ちもずいぶんラクになります。
全部を宅配に切り替えなくて大丈夫です。「重いものだけ頼む」「疲れている週だけ使う」——そんな使い方から始めてみてはいかがでしょうか。お住まいの地域の生協の手数料を調べてみる。それだけでも、十分な一歩です。
→ あわせて読みたい:宅食とは?種類・料金・見守り機能まで、5つのポイント
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