ショートステイとは?使ってよかった・困った、両方の話

施設の窓辺でお茶を飲む高齢の女性と職員 介護

「一日でいいから、ゆっくり眠りたい」
「親の介護があるから、親戚の結婚式にも行けそうにない」

そんなふうに感じている方はいませんか。

私は訪問看護師として、在宅で介護をしているご家族と毎日のように顔を合わせています。そのなかで「使ってよかった」という声も、「まだ気が引ける」という声も、どちらもよく聞くのがショートステイなんです。

この記事では、ショートステイがどんなサービスで、いくらかかるのかをまとめました。使ってよかったこと、困ったことも、両方そのままお伝えしますね。

この記事でわかること

  • ショートステイがどんなサービスか(2種類あります)
  • 気になる料金の目安(1泊2日でいくら?)
  • 使ってよかったこと、気になること
  • 「預けるのは申し訳ない」と感じたときの考え方

ショートステイとは?短いあいだ、施設に泊まれるサービス

ショートステイは、介護保険で使える「短期入所」というサービスです。数日から数週間、施設に泊まって、食事・入浴・排せつなどの介助を受けながら過ごせます。

実は2種類あって、受けられる内容が少しちがうんですね。

短期入所生活介護短期入所療養介護
泊まる場所特別養護老人ホームなど介護老人保健施設、介護医療院など
受けられること食事・入浴・排せつの介助、機能訓練上に加えて、医師や看護師による医療的なケア
向いている方日常の介助や見守りが必要な方たんの吸引や点滴など、医療的なケアが必要な方

多くの方が使っているのは、上の「生活介護」のほうです。どちらが合うかはケアマネジャーさん(介護の計画を立ててくれる専門家)が一緒に考えてくれるので大丈夫ですよ。

対象は要介護1〜5の方ですが、要支援1・2の方も「介護予防短期入所」という形で利用できます。

どんなときに使われているの?

現場でよく聞くのは、こんな場面です。

  • 結婚式やお葬式など、どうしても家を空けるとき
  • 介護しているご家族が入院・手術をするとき
  • 仕事が立て込んで、介護の手が回らないとき
  • 介護疲れをためないための、定期的な休息

意外に思われるかもしれませんが、いざというときのために、ふだんから定期的に使っている方もいらっしゃいます。 急に必要になってから探しても、空きがないことがあるからなんです。

気になる料金は?1泊2日でいくらくらい

要介護3の方が1割負担で使った場合の目安を出してみますね。

4人部屋など(多床室)個室(ユニット型)
介護サービス費約1,800円約2,000円
食費約3,100円約3,100円
部屋代約1,800円約4,100円
合計約6,700円約9,200円

※2026年9月時点。1泊2日(2日分)の目安です。実際の料金は施設ごとの契約で決まります。

気をつけたいのは、料金は「泊まった数」ではなく「日数」で計算されること。 1泊2日なら2日分かかります。

部屋のタイプで金額がずいぶん変わるのが、おわかりいただけると思います。個室は落ち着いて過ごせますが、そのぶん部屋代が上がります。部屋代を高めに設定している施設もあって、個室だと1万円を超えることもあるんですよ。

「ショートステイは個室が多いのでは?」と思われる方もいるかもしれません。実はこれ、半々くらいなんです。特別養護老人ホームの部屋数で見ると、個室と相部屋がおよそ半分ずつでした(2024年10月時点)。新しくできた施設はほとんどが個室で、古くからある施設には4人部屋が残っている、という分かれ方ですね。空いている部屋の都合で選べないこともあるので、気になるときは先に確認しておくと安心ですよ。

食費と部屋代は介護保険の対象外で、全額が自己負担です。ただし住民税が非課税の世帯などは、「負担限度額認定」を申請すると食費と部屋代が軽くなる制度がありますよ。

なお、続けて利用できるのは30日までと決まっています。31日目からは介護保険がきかなくなるので、長めに使いたいときは早めに相談してくださいね。

使ってよかったこと、気になること

良い面だけでは正直ではないので、現場で見てきた両方を書きますね。

よかったと感じる場面

  • 規則正しい生活が良い刺激になったのか、帰ってきてからも活気が出ている
  • ふだん一人で過ごす時間が長い方は、そばに誰かがいる安心感がある
  • ご家族がしっかり休めて、自分のための時間を安心して使える

気になる場面

  • 「家に帰りたい」という気持ちが強くなって、なかなか落ち着かれない
  • 大きな声で話す方がいるなど、ほかの利用者さんとのことで落ち着かない
  • リハビリの機会がない施設だと、一日じゅう横になっていて動きが悪くなることも

とくに認知機能の低下がある方は、環境が変わることで一時的に混乱されることがあります。これは事実としてお伝えしておきたいところです。

「家に帰りたい」と言われると聞くと、ご家族は心配になりますよね。でも、ショートステイのスタッフさんは、こうした対応にとても慣れておられます。利用者さんが不安にならないように声をかけて、安心して過ごせるようにしてくれるんです。そこは信頼してお任せして大丈夫ですよ。

だからこそ、施設によって過ごし方はずいぶん違うということを知っておいてほしいんです。日中をどんなふうに過ごすのか、ケアマネジャーさんに聞いてみてくださいね。

「預けるのは申し訳ない」と感じている方へ

ショートステイは、デイサービスよりも一歩ハードルが高いと感じる方が多いように思います。デイサービスさえ嫌がられる方のご家族からは、たいてい「本人に申し訳なくて」という言葉が出てきます。

我が家も母にデイサービスを何度も勧めましたが、本人が嫌がって使いませんでした💦 ショートステイも、まだ使ったことがありません。

デイサービスのことは、こちらの記事にくわしく書いています。
→ デイサービスとは?「行きたくない」から始まっても大丈夫

でも、知っておいてほしいことがあるんです。

国が定めた基準には、ショートステイは「利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減を図るもの」と書かれています。ご家族が休むことは、制度がもともと想定している使い方。 うしろめたく思わなくていいんですよ。

介護は長く続くことが多いですよね。ご家族の人生にも、そのときにしかできないことがあります。やりたいことができないもどかしさを感じるのも、自然なことだと思うんです。サービスを使いながら、ご自身の心と身体を健やかに保つこと。それも介護のうちだと私は思っています。

私はご家族にこうお伝えしています。ご自身のお身体や大事な予定を大切にすることも、介護を続けていくうえで必要なことなんですよ、と。ほかのご家庭でも使っておられますよ、とお話しすると、ふっと肩の力が抜ける方もいらっしゃいます。

「ご本人のためだけでなく、ご家族の休息も必要」。この言葉で納得される方は、本当に多いんです。

頼ることそのものについては、こちらの記事にも書いています。
→ 頑張りすぎていませんか?介護中こそ「頼る」という選択肢を

使ってみたいときは、まずケアマネジャーさんへ

流れはそれほど複雑ではありません。

ショートステイを使うまでの流れ4ステップ

急に必要になったときも、あきらめずに連絡してみてください。緊急の受け入れは、制度としても想定されているんです。ケアマネジャーさんが複数の施設に当たったり、キャンセル待ちに登録したりしてくれますよ。

予約の時期に決まりはありませんが、お盆・年末年始・連休は利用が重なって空きが出にくいと言われています。その時期に使いたいなら、早めに相談しておくと安心ですね。

持ち物は施設によって違います。よく挙がるのは、保険証と負担割合証、日数分のお薬とお薬手帳、着替え、洗面用具、入れ歯や眼鏡など。お薬は1回分ずつ分けて名前を書いておくと、施設の方が確認しやすくなりますよ。

まとめ

  • ショートステイは、数日から数週間だけ施設に泊まれる介護保険のサービス
  • 日常の介助が中心の「生活介護」と、医療的なケアも受けられる「療養介護」がある
  • 料金は1泊2日で7,000円前後から。部屋のタイプで大きく変わり、食費と部屋代は全額自己負担
  • 帰りたい気持ちが強くなるなど、合う・合わないはある。施設ごとの過ごし方を確かめておきたい
  • 「家族の負担を軽くすること」は、制度がもともと想定している使い方

親を預けることに気が引ける。その気持ちは、ご家族を大切に思っているからこそのものですよね。

でも、介護をする方が倒れてしまっては、その先が続きません。あなたが休むことは、ご本人の暮らしを守ることでもあるんです。

少しでも気になったら、次にケアマネジャーさんに会うときに「ショートステイってどんな感じですか」と聞いてみてください。それだけで十分、はじめの一歩ですよ😊

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